背信の罪と主の裁き ヨシュア記7:2~13

ヨシュアに率いられたイスラエルの民は堅固な城壁で固められていたエリコを征服し、約束の地カナンに入ることができ、士気が高まっていました。その状態で小国のアイを簡単に制圧できると考えたが、千メートルも高い地にあるアイから敵軍が攻めて来たので、イスラエル軍は退却し、兵士36人が死亡して戦いに負けてしまいました(ヨシュア7:3~5)。このため、ヨシュアもイスラエルの民も大きな衝撃を受け、民の心が萎え、水のようになりました。ヨシュアは着物を裂き、主の箱の前で、夕方まで地にひれ伏し、頭に塵をかぶって、次のように主の前で嘆きの祈りをしました。「ああ、神、主よ。あなたはどうして私たちをエモリ人の手に渡して、滅ぼそうとされるのですか。カナン人やこの地の住民が、私たちを攻め囲み、私たちの名を地から絶ってしまうでしょう。あなたの大いなる御名のために、何をなさろうとするのですか。」(同7:7~8)

何故、このようなことが起きたのか。その理由は、イスラエルの民の中で、主が命じられた契約を破り、聖絶のものを盗んだ者がいたからです。なお、“聖絶”とは、神のものとして完全に絶ち滅ぼし、人の使用を禁じ、完全に神のものとして神にささげるという意味です。 

 なる神はヨシュアに次のように仰せられました。「あなたはどうしてそのようにひれ伏しているのか。イスラエルは罪を犯した。現に、彼らは、わたしが彼らに命じたわたしの契約を破り、聖絶のものの中から取り、盗み、偽って、それを自分たちのものの中に入れさえした。彼らが聖絶のものとなったからである。あなたがたのうちから、その聖絶のものを一掃してしまわないなら、わたしはもはやあなたがたとともにはいない。」(同7::11~13)

 聖絶のものを盗んだのはユダ部族のゼラフ人の氏族ザブデイの子で、カルミの子アカンでした。彼はシヌアルの美しい外套(高級品)1枚と銀200シェケル(1シェケルは11.4g)と50シェケルの金の延べ棒を見て、欲しくなり、自分の天幕の中の地面の下に隠したのです。このようにして、アカンは聖絶のものを盗み、なる神を裏切る大罪を犯してしまったのです。そのため、彼と、彼の家族、牛などの家畜は殺され、彼の所有物は火で焼かれ、アコルの谷で聖絶されました(同7:24~25)。の契約はイスラエルの民全体と結ばれたものです。それゆえ、イスラエルの中の一人が罪を犯しても、民全体に被害が及ぶ結果となったのです。との契約は厳粛で聖なるものです。

 しかし、なる神は厳しいだけの方ではありません。は愛の方です。私たち人間は不完全な者であり、皆、生まれながら罪があり、誘惑に負けてしまうものです。だから、神の命令を完全に守り切ることができません。そのような人間を救うために、なる神の御子イエス・キリストが十字架にかかり、われら人間の罪を贖ってくださいました。それゆえ、「もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」(Ⅰヨハネ1:9)。つまり、私たちが罪の誘惑に負けてしまった場合でも、神の前に自分の罪を告白して、真に悔い改めるなら、主は私たちを赦し、悪からきよめてくださるのです。クリスチャンの信仰生活は、ある意味で、日々悔い改めの積み重ねです。そして、そこから、神の赦しを受けて、御心に従う新たなことにチャレンジする力が与えられるのです。 既に信仰をお持ちの方には更に実り多い信仰生活となりますように! また、まだ信仰の決断をされていない方には、神の愛と恵みを理解することができますように、お祈り申し上げます。 (牧師:北林行雄記)

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