主の道を整える者 マルコの福音書1:1~8

本日から5回にわたり、クリスマスにちなんだメッセージをします。本日、第一回は、「主の道を整える者」と題して、イエス・キリストのことを紹介したバプテスマのヨハネについてお話します。

バプテスマのヨハネの登場 マルコの福音書は4福音書の中で最初に書かれたものです。1章1節に「神の子イエス・キリストの福音のはじめ」とありますが、これはこの書のタイトルのようなもので、この書全体を一言で表していると言えます。

 2~3節にはイザヤ書40章3節が引用されています。救い主の道を整える者が将来登場すること。彼は主の道を用意し、主の通られる道を真っ直ぐにする。その預言通りに現れた人がバプテスマのヨハネです。

悔い改めのバプテスマ  ヨハネは荒野に現れて、人々に罪の赦しのための、悔い改めのバプテスマを宣べ伝えました。彼は預言者エリヤに倣って、らくだの毛で織った物を着て、腰に皮の帯を締め、いなごと野密を食べる質素な生活をしながら、精力的に伝道したのです。当時のユダヤ全国の人々と、エルサレムの全住民がヨハネのところにやって来て、自分の罪を告白して、ヨルダン川でバプテスマを受けたのです。ヨハネのバプテスマは水によるバプテスマでした。

 私たち人間は皆、生まれながら罪を持っています。自己中心の罪です。たとえば、子どもの友達が先生から大切に扱われ、褒められるのに、自分のこどもは厳しく叱られてばかりいたら、心の中からひがみが生じて、わが子の悪い面をそっちのけにして、先生に文句をつけたりする父兄がいるのも事実です。このように誰でもが持っている自己中心の罪を考えれば、バプテスマのヨハネのメッセージは、当時のユダヤの人々の心に強く迫ったのでしょう。そのため、沢山の人々が悔い改めのバプテスマを受けたのです。 

イエス・キリストに関する言及

・ヨハネよりさらに力のある方で、彼のあとに来られる。ヨハネはその方の靴のひもを解く値打ちもない。(7節)

・この方は聖霊のバプテスマを授けることのできる方である。(8節)

考察

 1.バプテスマのヨハネは立派な人物です。彼はイエス・キリストを紹介し、自分はこの方の靴の紐を解く値打ちもないと言いました。ヨハネより半年後に誕生する主イエスを心から尊敬し、自分は水による悔い改めのバプテスマを授けたが、この方は聖霊のバプテスマを授ける方であると説明しました。聖霊のバプテスマとは、私たち人間の救いに関係するものです。すなわち、主イエスを救い主として信じる信仰によるバプテスマであり、救いのしるしとしてのバプテスマです。

 2.聖霊の働きについて

  ①聖霊の働きがなければ、誰もイエスは私の救い主ですと告白できません。

  ②聖書をよく理解するためには聖霊の助けが必要です。全知全能の神を信じています。しかし、神は目に見えません。聖霊の働きによって、聖書のことばを理解し、神の愛や御心を知ることができるのです。それゆえ、聖書を学ぶ時は、最初に聖霊の導きがあるよう祈って読む必要があります。

  ③信仰生活におけるいろいろな試練を克服するためには聖霊の働きが必要です。たとえば、苦しみの中にあるとき、聖書のことばによって励まされることがよくあります。弱さの中にあるとき、神の力が最も強く働き、聖霊の導きによって最もふさわしい神のことばが与えられ、心の中に勇気がわいてくるからです。

結び

    救い主イエスの誕生は全人類にとって喜びの知らせです。主イエス・キリストの誕生、それに先立って、主の道を整えるバプテスマのヨハネの誕生は、それが実現する800年以上前から預言されていました。天地万物の創造者なる神の遠大な計画によるのです。

    待降節に当たって、主の御降誕を覚え、改めて計り知れない神の御愛に感謝しその思いを深め、この喜びを人々に伝えて行きましょう。そして、本当のクリスマスの素晴らしさを味わいながら、それを人々に証しましょう。 (牧師:北林行雄記)

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