主と共に生きる喜び 詩篇34:1~22

人生は山あり、谷あり、絶好調の時もあれば、どん底の時もある。私たち人間は自己中心的な者で、いろいろな働きが順調に行っている時は、有頂天になってあまり祈らなくなり、神に感謝することも少なくなってしまう。ところが、どん底になると、必死に助けを求めて祈る傾向がある。 主なる神はこのようなわがままな私たち人間を愛し、決して見放すことなく、助けを与え困難な状況から、脱出する道を与えて下さる方である。本当に感謝なことである。 私たちは一人の信仰者、クリスチャンとして、願わくば、どんな状況の中にあっても神を賛美し、真心をもって主に祈り、いつも感謝をする者でありたい。

 今朝は一人の信仰者が歩んだ体験から歌った詩篇34篇から学びたい。この詩篇は3つの要素から構成されている。1~3節が神への賛美、4~10節は祈り、11~22節は教えと信仰である。

 この詩篇はダビデによるもので、彼がアビメレクの前で、頭がおかしくなったように振る舞い、彼に追われて去った時に歌ったものと考えられている。 ダビデは羊飼いであったが、石投げと一つの石でペリシテ人の大男ゴリアテに勝利し(サムエル記第一17:41~50)、サウル王に用いられて戦果を上げた。そのため民衆から、「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った。」と評判になった。それがサウル王に妬まれて命を狙われるようになった。そこで、ダビデはガテの王アキシュの所へ逃れた。

しかし、アキシュの家来にダビデの素性が見破られたので、ダビデは彼らの前で気が狂ったようにふるまい、捕えられて狂ったふりをし、門の扉に傷をつけたり、ひげによだれを流したりした。かつての英雄ダビデにふさわしくない姿になり下がった彼を神は救ってくださった。実に主なる神は恵み深い方である。それ故、ダビデは真心を込めて、「私はあらゆるときに、主をほめたたえる。私の口にはいつも主への賛美がある。私の魂は主を誇る。貧しいものはそれを聞いて喜ぶ。私とともに主をほめよ。一つになって御名をあがめよう。」(1~3節)と歌った。

 その後、逃亡中のダビデのもとに彼の家族や親族、かつての部下たちがやって来て600人ほどになった。そのため、自分のことばかりではなく、彼らのためにも祈る必要が生じた。4節から10節まで「祈り」について書いてある。 「私が主を求めると、主は答え、すべての恐怖から、わたしを救い出してくださった。」(4節)と祈りが聞かれた個人的な体験を語った。

 続いて、彼に従ってきた人々のために祈った回答について5~6節に表した。「主を仰ぎ見ると、彼らは輝いた。彼らの顔は辱められることがない。この苦しむ者が呼ぶと主は聞かれ、すべての苦難から、救ってくださった。」(5~6節) 私たち信仰者がどんな厳しい状況に置かれても、「主の使いは主を恐れる者の周りに陣を張り彼らを助け出される。」(7節)それ故、私たちは何があっても恐れることなく堅い信仰を持って歩むべきである。 

 さらに、8~10節に主なる神を信じ、祈りの生活を歩む者の幸いが書かれてある。主を恐れる者は乏しいことがなく、主を求める者は良いものに何一つ欠けることがない。信仰者の日々の必要を主はいつも満たしてくださるのである

   第3の要素は教えと信仰である。11節に「来なさい。子たちよ、私に聞きなさい。主を恐れることを教えよう。」。つまり、大切な教えの第一が主を恐れることである。「主を恐れることが知恵の始まりである。」(箴言9:10)。それゆえ、人間が最初に学ばなければならないのは全知全能の主なる神を恐れ、従うことである。

 主に恐れて主に従い続けることはすばらしい祝福を受けるが、同時にいろいろな苦難も待ち構えている。しかし、恐れることはない。「主の目は、正しい人たちの上にあり、主の耳は、彼らの叫びに傾けられる。」(15節)ので、正しい人がその困難の中から救い出されるのである。「苦しむ者が叫ぶと、主は聞かれ、そのすべてから救い出してくださる。」(17節)

主は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、霊の砕かれた者を救われる。」(18節)。

正しい人には苦しみが多い。しかし主なる神はそのすべてから救い出して下さる。」(19節)。「は、そのしもべの魂を贖い出される。主に身を避ける人は、だれも責めを負わない。」(22節)。私たち人間は生まれながら罪がある。その罪を贖うためにイエス・キリストは十字架にかかって死んでくださった。

 主なる神とともに生きるなら、たとえどんな困難が襲って来ても、主がそこから救い出してくださるので、何の心配もない。「若い獅子も乏しくなり、飢える。しかし、主を求める者は良いものに何一つ欠けることがない。」(詩篇34:10)。 それゆえに厳しい現実、不穏な世界の中にあっても、皆さん信仰を堅く持って、力強く生きていきましょう。(牧師:北林行雄記)

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