新しい人を着る コロサイ人への手紙3:12~17

 コロサイ教会は使徒パウロの弟子エパフラスによって開拓された新しい教会でした。しかも、その教会は異邦人(ユダヤ人以外の人)会員が多くを占め、ほとんどの会員がクリスチャンになる前は、異教的なしきたりや異端思想に染まっていたと思われます。そこで、パウロはそのような“空しいだましごとの哲学や異端思想、それに関連した様々な規定”に惑わされないように警告しました(コロサイ2:6~22)。

 クリスチャンは自分の罪を悔い改めてイエスをキリスト(救い主)と信じ、新しいいのちを与えられた“新しい人”です(コロサイ3:10, Ⅱコリント5:17)。また、彼らは神の愛に触れた人たちで,“神に選ばれ、聖なる、愛された者”です(コロサイ3:12)。

 だから、新しい人にはその人にふさわしい品格が備えられるべきです。それらは、深い同情心、慈愛、謙遜、柔和、寛容、忍耐、赦しの心です(コロサイ3:12-13)、「これらすべての上に、愛をつけなさい。愛は結びの帯として完全なものです。」(同12:14)とパウロは教えました。これらすべてが聖霊の実です(ガラテヤ5:22-23)。信仰をもって歩む人々に聖霊が働かれるからです。

 「不完全な私がこのような品格を身に着けることは非常に難しい。」という方に、それを克服するヒントをご紹介いたします。

第一に、キリストのことばを心のうちに豊かに住まわせることです(同3:16)。つまり、聖書を毎日しっかりと読んで吟味することです。そうすれば、聖霊が働かれて、聖書のことばの深い意味が分かるようになり、キリストの愛に触れることができるのです。キリストの愛が判れば、他の人に対する深い同情心が起き、相手を赦す気持ちがわいてくるのです。

第二に、発想の転換を図ることです。先日、テレビの“逆転人生”という番組で、ある産業廃棄物会社の二代目を継いだ、若い女社長のことを紹介していました。産業廃棄物によるダイオキンシン汚染が地元名産の野菜に悪影響を与えるという理由で、地域住民から激しく立ち退きが迫られ、会社運営ができない状況が起こりました。そのため従業員が60人から半分の30人になり、子どもを抱えながら悪戦苦闘している中、夫も耐えられなくなり離婚。しかも、古い焼却炉を壊して、外部に悪いものを一切出さない新型焼却炉を作ろうとしても、住民の反対で取り掛かれません。

しかし、絶体絶命のどん底から彼女の逆転人生が始まったのです。それは、反対する住民の気持ちを理解しようとしたのです。産業廃棄物処理工場の建設予定地が、実は以前里山であったことが判り、従業員とともに連日、清掃活動に励みました。すると、地域の人々も一緒に清掃するようになり、お互いの理解が深まり、新型廃棄物処理工場建設の許可がおりました。そして、新型工場が完成し、昔のようなヤマユリが育ち、蛍が飛びかう里山が回復しました。さらに地域の信頼が増し、そこに住む若い学生が入社し、従業員が30人から150人に増加したそうです。

 以上をまとめますと、毎日、聖書をよく学び、自分の殻を破って、発想の転換をすることによって、私たちもキリストにある品格を備えた“新しい人を着る”ことができるのです。皆様の上に主の豊かな祝福がありますように! (牧師:北林行雄記)

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