パウロと同労の仲間たち コロサイ人への手紙4:7~14

コロサイ人への手紙は、パウロがローマで収監されているときに書かれたものです。パウロは、来るべき裁判を待ちつつ、牢につながれていました。しかし、彼の周りにはいつも、彼を慕う忠実な弟子や信徒が共にいました。囚人の友になると、自分も巻き添えになる危険性が高くなりますが、囚人パウロの周りに集まった仲間たちは、そのことを承知で彼の世話をしました。

コロサイ人への手紙4章7~14節には7名の名前が登場します。先ず、小アジア生まれのテキコ。彼はマケドニア地方の異邦人教会の代表者でした。彼はパウロの様子を知らせる手紙をエペソ教会に届ける働きをしました(エペソ6:21)。テキコのことをパウロは「主にあって愛する兄弟、忠実な奉仕者、同労のしもべ」と評価しました。次に、ピレモンの奴隷のオネシモが紹介されます。彼はピレモンのもとから逃亡した奴隷でしたが、パウロと出会ってクリスチャンとなり、忠実なしもべにと変えられました。

続いて、アリスタルコが登場します。彼はパウロに同行するために、彼自身もパウロと同じ囚人になりました。そして、ローマに向かう船の中で暴風に襲われて船が難破するという危険な体験と、そこに表された神の不思議な救いの御業、船が座礁しても、乗船した人々全員のいのちが助かるという奇跡も体験しました。さらに、バルナバのいとこマルコ、ユダヤ人クリスチャンのユスト、医者で福音書記者のルカ、そして、デマスでした。ルカは高収入の職業である通常の医者という立場を投げ打って、パウロの主治医として、最後まで彼と共に、福音宣教のための奉仕に努めました。

これらの人々は、生まれも育ちも、身分や性格も皆異なります。しかし、パウロを慕って、彼のもとに集まり、パウロ自身が主から示されたミニストリーに、仲間たちも喜んで協力したのです。そのミニストリーとは、異邦人(ユダヤ人以外の人々)に福音を伝えることでした。なぜなら、「福音は、ユダヤ人をはじめギリシャ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力」(ローマ1:16)であるからです。

パウロは福音宣教の使命に生きた人です。また、彼の周りには福音宣教に対する同じ思いを持った有難い仲間がおりました。その結果、どんな大きな迫害や苦難に遭遇しても、パウロは3回の伝道旅行を行い、多くの手紙を執筆し、成すべきことを貫徹することができました。今日の教会の働きにも同様なことが言えると思います。パウロとその仲間たちのように、私たちも協力し合い、宣教の業に励もうではありませんか。 (牧師:北林行雄記)

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