バプテスマのヨハネの誕生 ルカの福音書1:5~25

本日はイエス・キリストと同じ年で半年先に生まれ、イエス・キリストを紹介した人物、バプテスマのヨハネについてお話します。彼の両親であるザカリヤとエリサベツは名門の祭司の家系で、二人とも神の御前に正しく、のすべての戒めと定めを落ち度なく行っていました。しかし、敬虔な彼らに悩みがありました。二人は高齢になっても、子どもがいませんでした。ところが、この夫婦にある特別な出来事が起こって、子どもを授かるようになりました。

ザカリヤは自分の組が当番で、神の前で祭司の務めをしていました。祭司職の慣習によってくじを引いたところ、主の神殿に入って至聖所の前で香をたくことになりました(ルカ1:8~9)。これは祭司たちにとって生涯に1度あるかないかの特権でした。ザカリヤが香をたいている時、主の御使いが香壇の右に立って、ザカリヤに次のように言いました。「恐れることはありません。あなたの願いが聞き入れられたのです。あなたの妻エリサベツは男の子を産みます。その名をヨハネとつけなさい。その子は主の御前に大いなる者となり、エリヤの霊と力で主に先立って歩みます。父たちの心を子どもたちに向けさせ、不従順な者たちを義人の思いに立ち返らせて、主のために整えられた民を用意します。」(同1:13~17)。その後、御使いのことば通り、エリサベツは身ごもり、バプテスマのヨハネを出産しました。

 この知らせをザカリヤは信じるこができませんでした。そのために、彼は妻が出産するまで口がきけなくなってしまいました(ルカ1:20~22)。やがて務めの期間が終わり、彼は自分の家に帰りました。しばらくして、妻エリサベツは身ごもりました。彼女は喜んで、「主は今このようにして私に目を留め、人々の間から私の恥を取り除いてくださいました。」と感謝のことばを語りました。この時代の女性は子孫を残すことが大きな務めでしたので、エリサベツは人々から不妊の女と侮辱されて、苦しんでいたことが伺われます。

 いよいよバプテスマのヨハネの誕生日がやってきました。近所の人たちや親族が幼子を父の名にちなんでザカリヤと名づけようとしたとき、ザカリヤは書き板に「その子の名はヨハネ」と書いて、主の御使いが言った指示に従いました。すると、直ちにザカリヤの口が開かれ、舌が解かれ、ものが言えるようになって神をほめたたえました(ルカ1:63~64)。こうして誕生したバプテスマのヨハネは主イエス・キリストに先立って歩み、「見よ。世の罪を取り除く神の子羊」と言って主イエスを人々に紹介したのです(ヨハネ1:19)。 高度な科学技術が進んだ現代でも、御使いが伝えたことは人々には信じ難いことです。しかし、天地万物を創造されたに不可能なことはありません。主イエスは次のように言われました。「この天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。」(マタイ24:35)。私たち信仰者はどんな環境におかれてもなる神を信じ続けることが大切です。「信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです。」(ヘブル11:6)。     (牧師:北林行雄記)

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