終末への心備え マルコの福音書13:1~8,28~31

エルサレム神殿はヘロデ大王によって着工され、当時46年かかってもまだ建設中の壮大で華麗な建築物でした。そのエルサレム神殿を見て、キリストの弟子の一人が感激して、「何と素晴らしい石、何と素晴らしい建物でしょう。」と言うと、イエス様は「この大きな建物を見ているのですか。ここでどの石も崩されずに、ほかの石の上に残ることは決してありません。」と言われました。キリストはエルサレム神殿の崩壊を預言されたのです。事実紀元70年ローマ帝国の攻撃によってエルサレム神殿は崩壊しました。ここでイエス様は弟子たちに眼に見える美しさに心を奪われるのでなく、もっと大切なものがあることを教えられました。さらに、神殿崩壊によって古い契約の時代が過ぎ去り、やがて新しい時代が来ることも暗示されました。

 そこで、キリストの弟子4名(ペテロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレ)が「いつそのようなことが起こるのですか。また、それらがすべて終わりに近づく時のしるしはどのようなものですか。」とイエス様に尋ねました。

 イエス様は世の終わり(終末)の前兆として以下の3つの特徴を掲げられました。

1.キリスト(救い主)を名乗るものが大勢現れる。

2.戦争や戦争のうわさを聞く。そして、民族は民族に、国は国に敵対して争いが起こる。

3.あちこちで地震や飢餓など、自然災害が起こる。

イエス様が弟子たちに語られてから約2000年経ちます。

ここで語られた3つの前兆は世界各地で既に起きています。最近では、新型コロナウイルス感染拡大のように世界各国に広まり、地球規模で拡大しています。また、地球温暖化によって自然災害も増発しています。かつて温暖であった日本でしたが、今年の猛暑、生命の危険を及ぼす程の気温上昇、熱中症で多くの方が亡くなっています。

しかも、台風や地震はほぼ毎年起きています。

このような状況から,終末(世の終わり)がさらに近づいていると考えられます。

そこで、イエス様が話された次の言葉に注目しましょう。

マルコの福音書13章28~30節

「いちじくの木から教訓を学びなさい。枝が柔らかくなって葉が出て来ると、夏が近いことが分かります。同じように、これらのことが起こるのを見たら、あなたがたは、人の子が戸口に近づいていることを知りなさい.まことに、あなたがたに言います。これらのことがすべて起こるまでは、この時代は過ぎ去ることは決してありません。」

 終末の前兆を見たら、”人の子が戸口まで近づいている“つまり、イエス・キリストの再臨が非常に近くなっているということです。しかし”これらのことが全部起こってしまう”つまり、世の終わりの時の前兆がすべて起こるまで、この時代が過ぎ去って新しい時代が到来しないのです。

 若い皆さんは将来に希望を持っておられるでしょう。

私もそうでした。しかし、人生を長く生きていると小中学校時代の日本の自然や気候、人と人の交わりが、今と比べるとずいぶん穏やかであったと思います。時代は確かに終末に近づき、生みの苦しみを味わう覚悟が必要です。

しかし、クリスチャンにはいつも希望があります。

終末の厳しい時代を越えたら、イエス・キリストにある新しいいのち、永遠のいのちがあることが約束されているからです。

イエス様は言われました。

天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。」

マルコの福音書13:31(新改訳第3版)

時代が変化し、社会の一般常識が変わっても、常に変わらない聖書の言葉にしっかりと耳を傾けて歩んで行きましょう。

そして、皆さんの家族や友人など、大切な人たちの救いのために祈りましょう。

           (牧師:北林行雄記)

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