信仰に立つ決断 ルツ記1:1~18

 本日の説教に登場する主な人物はナオミとルツとオルパです。自国ユダが飢饉になったので、ナオミは夫エリメレクと二人の息子と一緒にモアブの荒野で住む事になりました。

しかし、エリメレクが死亡したので二人の息子はモアブの女を妻に迎えました。

妻となった二人はオルパとルツです。

 ところが、息子たちの結婚生活は約10年で終わることとなりました。ナオミの二人の息子が死に、彼らの妻オルパとルツが残されたのです。

そこで、ナオミはユダの地に戻ることを決意し、二人の嫁に次のように言いました。

「あなたたちは、それぞれ自分の母の家にもどりなさい。あなたたちが亡くなった者たちと私にしてくれたように、主があなたたちに恵みを施して下さいますように。また、主があなたたちがそれぞれ、新しい夫の家で安らかに暮らせるようにしてくださいますように。」

(ルツ1:8~9)

 二人は声をあげて泣き、自分たちもナオミと一緒に行かせてもらいたいと願ったが、ナオミは彼女たちが自分について来ても良いことはない。つまり、この世的な幸福は望めない。それは、ナオミ自身にとってとても辛いことだと説得しました。オルパはナオミの説得に従い、別れの口づけをして去って行きましたが、ルツはナオミにすがり付いて離れようとしませんでした。

 ルツはナオミに「お母さまを捨て、別れて帰るように、仕向けないでください。お母さまが行かれる所に私も行き、住まれる所に私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」(ルツ1:16)と宣言しました。

ナオミは二人の嫁のこの世的な幸福を考えて説得しましたが、ルツは”この世的な幸福”

以上のもの、信仰と愛に基づいて決断しました。ルツはナオミとの約10年間の生活においてナオミとの人間的な絆とその背景にある精神的土壌、すなわち、主なる神を信ずる生き方が彼女のうちに根付いていたのです。それゆえ、ルツはナオミに対して「あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」と明言することができたのです。

しかも、ルツはナオミに対して、「あなたの死なれる所で私も死に、そこに葬られます。もし、死によってでも、私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも私を罰してくださるように。」(ルツ1:17)と誓ってまで、自分の決心の固いことを表明しました。

 ナオミはルツの決心が固いのを見て、もうそれ以上は言いませんでした。

ルツはナオミと一緒にベツレヘムに到着しました。そこにおいて、主は素晴らしい御業を成なして下さいます。

 私たちの人生において重要な決断をしなければならないことが何度かあるものです。

その時にこの世的な幸せを選ぶか?それとも、主なる神の御心を求めて、それに従うかどうかによって、その後の生き方が大きく違ってきます。

 ルツは姑ナオミに対する愛と信仰に立って、ナオミについて行くことを決断しました。

その結果、主に祝福され、新たな希望が与えられました。有力な親戚のボアズと再婚しその孫にダビデが誕生し、救い主イエス・キリストの系図に彼女の名前が記載されることになったのです。(マタイ1:5~6)

何と素晴らしいことでしょう。

「こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛です。」 (コリント第一13:13)                     (牧師:北林行雄記)

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