主を恐れることは知識の初め 箴言1:1~7

箴言は“戒めのことば”であり、人生の教訓を含む短い句です。この書の目的とするところは、私たち人間が知恵と訓戒とを学び、悟りのことばを理解し、豊かな人生を歩むことです。

特に、人生経験の浅い人々(すなわち、わきまえのない者、若い人たち)には知識と思慮を得てもらうためです(4節)。 この目的を達成するための大切な要件が7節に書かれています。すなわち、「主を恐れることは知識の初めである。」、つまり、主なる神様を恐れることであると言っているのです。

 私たちは、一般的に、自分の目標を達成するためには、最初に、自分のレベルや生活環境、資金等、現実の自分自身のことから考えます。有名な親鸞聖人は次の短歌を詠みました。「明日ありしと思う心の徒桜(あだざくら)、夜毎に嵐の吹かぬものかは。」。明日を当てにして今を疎かにしていると、せっかくの機会を逃してしまう。とにかく、今の現実をしっかりと生きようと勧めました。

 しかし、聖書は、私たち人間から出発するのでなく、先ず主なる神のことを考え、主を怖れることが知識の初めだと宣言しているのです。なぜ、主なる神なのでしょうか?主なる神は天地万物を創造された方だからです。「はじめに神が天と地を創造された。」(創世記1章1節)。主なる神は万物の創造主です。全知全能で、私たちのことを何でも良く知っておられる方です。しかも、神は愛の方です(ヨハネの手紙第一4章8節)。それゆえ、皆さん、主なる神に安心して悩み事を相談し、あなたの重荷を主に委ねることができるのです。

 さらに、イエス・キリストは救い主です。この方は神のひとり子で、私たち人間を救うために、十字架にかかって死んでくださったのです。そして、3日目に死からよみがえり、私たちに人間の本性である罪を贖ってくださった方です。私たち人類の救い主です

 ここで、私たち夫婦の証をさせていただきます。私たちは今年の9月に結婚48年目を迎えます。二人は教会のキャンプで出会いました。出会った頃は、家内はお父さんの病で、東京から帰省したときでありました。彼女はからだが弱く、12月に入って一度風邪をひくと、教会に来ることが困難になりました。そのとき、大学院学生であった私に牧師から彼女に週報などを届ける役割を頼まれました。家を訪問し、聖書を読んで、祈って帰ってきました。そのようなことが続くうちに、神様の導きで愛が目覚めてきました。

 私が大学院を卒業して、日立製作所に就職が決まり、日立市にある総合研究所に就職するとき、結婚を申し込みました。すると、彼女のお母さんが「いつまで生きられるか判らない娘をお嫁に出すわけにはいかない。」と反対されました。そのとき聖霊の導きと申しましょうか、私は「結婚すれば、和美さんは必ず元気になります。」と宣言しました。その言葉を聞いて、お母さんは結婚を許して下さったのです。 その1年後に結婚して日立市に住むことになりました。彼女は直ぐに元気なったわけではありませんが、5年ほど経ってから少しずつ元気になってきました。当時はまだ車を持っていなかったので、家内は移動用の買い物かごをもって、歩いてスーパーマーケットまで買い物にでかけました。そして、親しい友人ができると、バスに乗って遠くまで出かけていくようになりました。

 私たち夫婦は東京で開催された青年宣教大会に出席した折、献身の思いが与えられました。その後も仕事を続けていましたが、1986年の9月に日立製作所を退職して、カナダのバンクーバーにある神学校に入学しました。そこは日本より緯度の高いところですが、家内は元気で、持ち前の英語力を生かし、すごく積極的になりました。私は神学修士課程の勉強でからだをこわし、遂に肺炎になってしまいました。そのとき、家内の献身的な助けによって神学校も無事卒業できました。その後、アメリカのシアトルでスクワイアさんという素晴らしいご夫妻にお会いし、大変楽しいときを過ごしました。和美さんはカナダ、アメリカがからだに合っていたらしく、大変元気でした。

 帰国後も、彼女の健康が守られ、元気に、明るく過ごしております。結婚を申し込んだときのことば、「結婚すれば、和美さんは必ず元気になります。」が本当に実現しました。主の恵みと導きを心から感謝します。今では年齢と共に体力の衰えを強く感じる私よりも、彼女ははるかに元気で、私はいつも彼女に助けられ、感謝しています。

 ロシアがウクライナを侵攻して半年経ちますが、未だに戦争が収まりません。罪のない沢山の市民が犠牲になりました。また、コロナが再び蔓延してきました。このような不安の中に世界が置かれていますが、しかし、主なる神があなたがたといつも共にいてくださることを覚えましょう。そして、不安の中にある方々を励まし、助けていきましょう。皆様の上に主の豊かな祝福がありますよう御祈りいたします。(牧師:北林行雄記)

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