神が一番願っておられる事 ヨナ書4:1~11

ヨナは旧約聖書に出て来る預言者で、紀元前800~750年頃に活動しました。あるとき彼は主なる神から、「立ってあの大きな町ニネベに行きこれに向かって叫べ。彼らの悪が私の前に上って来たからだ。」との命令をうけました。ニネベはイスラエルの東にある強国アッシリヤの主要都市ですが、ヨナはニネベの反対方向にあるスペインのタルシシュ行の船に乗って逃亡しようとしました。

そこで、主は大風を海に吹きつけられたので、激しい暴風が海に起こり、船は難破しそうになりました。船長はじめ乗組員たちは誰のせいでこの災いが来たかを調べるためにくじを引くと、ヨナに当たりました。ヨナは陸と海を造られた主の御顔を避けて逃れようとしたと正直に白状しました。そして、自分を荒れ狂う海に投げ込んだら海が静まると伝えてそのようにしてもらうと、海は静まって凪になりました。

憐れみ深い主は、大きな魚を備えてヨナを飲み込ませられたので、彼は三日三晩魚の腹の中で過ごしました。ヨナは祈りながら自分のいのちが助けられたことを感謝し、罪を悔い改めて、主の指示に従うことを決断しました。魚の腹から吐き出されたヨナに主は再び「立ってあの大きな町ニネベに行き、わたしがあなたに告げる言葉を伝えよ。」と命じられました。ヨナは主のことばに忠実に従って、ニネベの町を巡って、「あと40日すると、ニネベは滅びる。」と叫び回りました。すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ身分の高いものから低いものまで荒布をまといました。

ニネベの王も王服を脱ぎ捨て荒布をまとい、灰の上に座りました。そして、ニネベの全住民に向けて「人も家畜も、牛も羊も皆、何も味わってはならない。草をはんだり、水を飲んだりしてはならない。人も家畜も荒布を身にまとい、ひたすら神に従い、それぞれ悪の道とその横暴な行いから立ち返れ」と布告しました。主なる神は彼らが悪の道から立ち返ったことをご覧になり、彼らに下すといった災いを思い直し、それを行われませんでした。

このことをヨナは不愉快に思い、怒って、主に祈りました。ヨナ書4章2~3節「ああ、主よ。私がまだ国にいた時に、このことを申し上げたではありませんか。それで私はタルシシュへ逃れようとしたのです。あなたが情け深くあわれみ深い神であり、怒るのに遅く、恵み豊かで、災いを思い直される方であることを知っていたからです。ですから、どうか今私のいのちを取って下さい。私は生きているより死んだ方がましです。」

ヨナにとって大国アッシリヤは自国イスラエルを脅かす敵国ですから、その主要都市ニネベが滅ぼされることを望んでいたかもしれません。それが主の憐れみによって裁きがなされず、しかも、40日するとニネベが滅びると予言したことも実現せず偽りの預言者と非難されることで、心の中が怒りで満ちていたからでしょう。

主なる神はヨナに憐れみをかけ、一本の唐ゴマを備えて、彼の上を覆うように生えさせ、それを彼の頭の上の陰にして、ヨナの不機嫌を直そうとされました。ヨナはこの唐ゴマを非常に喜びました。

しかし、主は翌日の夜明けに一匹の虫を備えられ、虫がその唐ゴマを噛んで唐ゴマは枯れてしまいました。そのため、ヨナの頭に太陽が照り付けたので、ヨナは弱り果てました。このことを通して主なる神は大切な教訓をヨナに教えられます。

ヨナ書4章10~11節

主は言われた。「あなたは自分で労さず、育てもせず、一夜で生えて一夜で滅びたこの唐ゴマを惜しんでいる。 まして、わたしは、この大きな都ニネベを惜しまないでいられようか。 そこには、右も左もわからない12万人以上の人間と、数多くの家畜がいるではないか。」

ヨナは自己中心的な思いから、自国の事や自分の事だけを考えて、結果が期待していたものとは異なったので怒っていました。

一方、天地万物の創造者なる神は、ニネベに住む12万人以上の人々の救いと、数多くの家畜のいのちを守ることを考え、そのことの重大性をヨナに教えられました。

原罪を持ったままで生涯を閉じれば、その終わりは”永遠の裁き“で〝火の池”に投げ込まれるのです(黙示録20:14~15)。生まれながら原罪を持った人間を救うために、神の御子イエス・キリストを十字架にかけられたのです。罪のない方が罪ある者の身代わりとなって死に、3日目によみがえり、人が救われる道を準備して下さったのです。神はこのような大きな愛の御業をなされたのです。そのことによって、イエス・キリストを自らの救い主と信じる人は誰でも救われるのです。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネの福音書3:16)

皆さん、主なる神の測り知れない愛の御業に感謝し、愛する家族や友人、知人の救いのために祈り、喜んで福音を伝えて行きましょう。

                      (牧師:北林行雄)

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