聖霊降臨 (使徒の働き2章1~13節)

本日はペンテコステ記念礼拝です。ペンテコステはギリシャ語で50番目という意味です。ユダヤ人社会ではこの日を「五旬節」または「7週目の祭り」として祝われています。一方、キリスト教会では「聖霊降臨節」として、記念礼拝が行われます。

 

イエス・キリストの弟子たちや関係者が皆、集まって、心を合わせて祈っておりました。使徒の働き1章14節を見ると、そこには婦人たちやイエスの母マリヤ、それにイエスの兄弟たちも一緒に集まって祈っていたことが判ります。そこに120名ほどの人が集まっていました。

 すると、突然、天から激しい風が吹いてきたような響きが起こって、彼らがいる家全体に響き渡りました。すると、炎のような舌が分かれて現われ、その場にいる一人一人の上に留まった。本当に不思議な現象ですが、人間の舌というと、人が話すことばを連想しますね。しかも、そこに集まっていた人たちが突然、外国のことばで話し始めました。

その日、エルサレムに集まって人たちはユダヤ人だけでなく、地中海沿岸の国々やメソポタミア、アフリカ、ヨーロッパから来て滞在している人たちでした。ですから、彼らは弟子たちやその関係者が、自分の国の言語を話していることがよく判り、びっくりしました。

 どうして、弟子たちやその関係者が一度も習ったこともない外国のことばを話すことができたのでしょうか?それは聖霊の導きによってできたことなのです。彼らは聖霊に満たされて、御霊が語らせてくださるままに話し出したのです。聖霊の御業は人知をはるかに超えた力があります。そして、この出来事はキリスト教の歴史において画期的で、記念すべき出来事でした。

 人々は驚き、当惑しましたが、その中に「彼らは酒に酔っているのだ」と弟子たちを嘲る人もいました。そこで、ペテロは声を張り上げて群衆に語り掛けました。その内容を要約しますと、

  • 今、朝の9時だから酒に酔っているのではない。この出来事は預言者ヨエルが語った預言の成就である。その内容は、「終わりの日に、人々に神の霊が注がれるので、その人の息子や娘は預言し、青年は幻を見、神のしもべやはしためも預言するにようになる。」ということである。
  • イエスは力ある業と不思議としるしを行って神から遣わされた者として証された。神の御計画によって来られたこのイエスを、あなたがたは異邦人(ポンテオ:ピラト)の手によって、十字架にかけて殺してしまった。
  • 神はこのイエスを死から蘇らせられた。私たちはそのことの証人である。そして、このイエスが、今あなたがたが見聞きしている聖霊を注がれた。私たちはそのことの証人である。
  • 「だから、イスラエルの皆さんはこのことをはっきりと知らなければならない。神が今や主ともキリストともされたこのイエスを、あなたがたは十字架につけたのです。大変のことをあなたがたはしてしまったのだ。」

とペテロは宣言しました。

 すると、人々はこれを聞いて心をさされ、「兄弟たち、私たちはどうしたら良いでしょうか?」と言った。

 そこでペテロはすかさず、次のように彼らに宣告しました。「それぞれ罪を赦していただくために、悔い改めて、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。」

 その結果、ペテロのことばを受け入れた人々は信仰をもって、バプテスマを受けました。実に、その日、3000人の人々が自らの罪を悔い改め、主イエス・キリストを信じて、バプテスマを受けたのです。画期的な出来事でした。

 このようにして、世界最初のキリスト教会が誕生したのです。それゆえ、ペンテコステはキリスト教会誕生の歴史的な記念日なのです。

私たちの教会も1995年に開拓伝道を開始して、小さいながらも教会としての群れができあがり、2021年末に新会堂が完成し、翌2022年4月30日に日本同盟基督教団の朝岡勝理事長を招いて献堂式を行うことができました。

 1日に3000人のバプテスマとはいかなくても、地道に伝道しながら、教会員が増やされ、成長する教会でありたいと願います。富山聖書教会は開拓当初から音楽会などイベントを毎年実施しておりました。若い人が沢山集い、信仰をもちましたが、就職や結婚で他県に移動しました。しかし、いつも活気に満ちていました。

 コロナも収まりつつある今日、いろいろなイベントを実施していきましょう。お互いの意見の違いがあっても、主キリストにある兄弟姉妹です。共に協力して頑張っていきましょう。そのことを通して主イエス・キリストの栄光が益々豊かに表されますように!

 最後に、ペンテコステにちなんで、私のささやかな体験を紹介して説教を終わります。 私は大企業の研究者を辞して、カナダのバンクーバーの神学校で学びました。日本人は私ひとりでしたが、クラスメートにはカナダやアメリカばかりでなく、海外からいろいろな国の留学生が来ておりました。ナイジェリアの神学校の校長や、インドの有名な牧師、中国や韓国、マレーシアなどです。

授業中に教授から課題が出され、デイベイトの時間がよくありました。私や韓国の学生はおとなしいのですが、毎回激しい議論が交わされました。特に、アフリカの学生は自己主張が強く、激論が続き、なかなか話がまとまりませんでした。そのとき、皆で聖書の御ことばに注目すると、直ぐに一致してまとまりました。そのとき、私はどんなにバック・グランドが違う人たちであっても、主イエス・キリストにある信仰の一致ができることを。身を持って確信しました。

  ペンテコステの出来事は世界最初の教会誕生として重要ですが、教会の成長のためにも、聖霊の働きは大変重要です。クリスチャン人口の少ない日本において、教会に集う信徒の皆さんが実社会で証するには、妨害もあることは御承知だと思います。その妨害の中にあってもクリスチャンとして為すべきことを行いつつ、教会の諸集会に参加し、証をするには勇気が必要です。そのとき、主イエスに切にお祈りしていると、聖霊があなたを助けてくださいます。例えば、上司や先輩にどのように話すか、聖霊がふさわしい言葉をあなたの心に浮かばせてくださり、勇気を与えてくださいます。

 また、会社で忙しく、疲れて教会を休みたくなる誘惑に会われることがあります。そのときこそ、主の前に出て行って、真実の自分の気持ちを訴えて祈ってください。そうすると、聖霊があなたを励まし、勇気を与え、話す言葉を与え、会話を導いてくださいます。

 友人や知人に福音を伝えるときも、病気の中も、試練の中も、常に主に祈って、導きを求めるなら、あなたは安心して日々の仕事や証を全うさせてくださいます。

 また、自分のことばかりでなく、教会のため、主にある兄弟姉妹のため、求道者のために祈ってください。

 皆さんの日々の信仰生活が初代教会のようにいつも聖霊に満たされ、豊かで味わいのある素晴らしいものとなりますように、心からお祈り申し上げます。

  在主 (富山聖書教会牧師:北林行雄記)

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